住職の語り【第十回】

皆様、こんにちは。皆さんの中には私の体調を気づかってくださる方もおられると思います。早くも夏バテ、すこぶる元気とはいえませんが、それでもあちらこちら出かけていることを思えば、まあ良しとしなければ。あまり欲を言えば、きりがありません。
さて、四月に九州は宮崎県の高鍋町に行ってまいりました。私にとっては初めての九州です。羽田空港からソラシドエアで行き、宮崎空港に降り立つと、そこはまさに南国です。高鍋町では町長さまはじめ、町の方々には大変お世話になりました。感激したのは、歴代のお殿様やご家老三好善太夫重道様のお墓をお参りしたことです。特に三好様のお墓の前では不意に涙が出ました。上杉鷹山公に「敬」の一字を大切にするよう教えてくださった家老様の前で、私の気持ちがゆるんだのかもしれません。
初めての高鍋町のはずなのに、何故か、私にとってはなつかしさだけが感じられました。風景ひとつひとつが私の心に温かさだけを残しています。この風土が鷹山公をして名君といわしめた素地なのかもしれません。改めて高鍋町と秋月家に敬意を表する次第です。
鷹山公はいろいろな困難の中で、決断を下すことがありました。さぞや孤独だったでしょう。しかし、良き師細井平洲先生や秋月家の教えが心の支えとなったのだと思います。
「真摯(しんし)に生きる」― 鷹山公の生涯をたどってみた時、私はこの言葉がふさわしいと考えました。常々申し上げていることですが、純粋な精神は確実に存在する、これが私の信念です。敬師の心はまさにそれを如実に表現しているのであります。
何卒、皆さまにも東海市、高鍋町、そして米沢市においでの際には、鷹山公の気高い心を感じていただければ幸いです。