3月というのは、人事異動や年度末ということで、人との別れが待っています。一方、新しい人と出会いというものもあります。仏教でいうところの愛別離苦(あいべつりく)でしょうか。
離れたくないのに、大切な人と別れなければならないのは、とてもつらいことです。でも、時は待ってはくれません。やがては別離の機会がいやおうなくやってきます。
人も生き物も植物も、命はめぐっていくのです。それを繰り返して、わたしたちは生きています。
生きるということは、楽しいこともあれば、つらく悲しいこともあります。どちらも同じ時間の長さなのに、楽しいときはあっという間で、つらいときのほうが長く感じます。不思議ですね。
しかしわたしたちは、その経験を何度も乗り越え、強くなっていくのです。そうすると、人の心の痛みがわかるようになり、やさしく寄り添える人になるのです。
さて、雪国では他の地域より桜が咲くのが遅く、当山の桜は、例年は4月15日前後が見頃ですが、今年はどうでしょうか。
桜もきれいな時は一瞬で、あっという間に散ってしまいますが、また季節がめぐると、つぼみができ、花を咲かせます。
もしお時間がありましたら、お寺の桜を見にいらしてみては、いかがでしょうか。