普門院のご本堂の正面には大日如来様が祀られ、右奥には弘法大師様、左奥には興教大師様そして正面左側にコロリ薬師様が小さな厨子の中に祀られています。
この薬師如来像は、用明天皇とその皇子聖徳太子が一刀三礼しての作といわれ平安末期に藤原3代(清衡〜基衡〜秀衡)として平泉を中心に奥州一円に勢力を伸ばしていた奥州藤原氏に伝わり、秀衡の長男西城戸国衡の守り本尊となりました。
文治5年(1189年)源頼朝の奥州征伐に対し、藤原氏は国衡を総大将として阿津加賀志山(福島県国見町)に見栄の堀を築き陣を構えたが敗れ、4代泰衡でその栄華の幕を閉じました。
薬師如来像は、秀衡の六男頼衡が兜に奉安して吾妻山鳥越を経て、赤崩の地に守り伝えられ、「錦戸薬師堂」に安置され長い間信仰されてきました。薬師如来は本来、病苦などから生命あるすべてのものを救う仏。右手は施無畏印を結び左手には薬壺を持つ姿で表されております。いつの頃からか定かではありませんが、このお薬師様を信仰されお参りをされた方が死ぬ時に苦しまなかったことから話が広がり、いつのまにか「コロリ薬師」と呼ばれるようになりました。また病気や怪我だけでなく、生きていく上での不安や焦燥感などをとりのぞき、落ち着いた心を取り戻せます。
現在、普門院に祀られている薬師様は、厄除開運、無病息災や安楽死などを願う大勢の人たちに篤く信仰されております。 日々の健康に感謝し、悲しみや苦しみの中にあっても必ず一筋の光明があるということを教えてくださっています。 参拝することに特別の決まりや儀式はありません。心をこめて手をあわせるだけです。
お参りすることで、亡くなられた方が安らかに眠ることができます。 コロリ薬師のご祈願についてはご相談下さい。
*本堂内の写真の撮影はお断りさせていただきます。